偽恋愛=ギレンアイ=
+* 洸 *+

今、俺は幹の家に向かってる。


トボトボ、トボトボと
うざいくらいにゆっくり歩いてる。



ふと、前を見ると、俺の視界に移る。

二つの背中。

一瞬で分かる。


あれは…永良と李下の背中。



声、かけるか?かけないか?


かけようか。









――いや、かける必要なんてない。


俺は完全なる部外者だ。



二人の中に入るずうずうしさは捨てろ。




俺は…二人を繋いでいる、
二人の手を見て胸を締め付けられた。





涙が…流れた。
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