偽恋愛=ギレンアイ=
+* 洸 *+

何、あいつ。

俺は自分の事でも精一杯なのに、
あいつを心配してしまう。

あまりの俺の甘さに、嫌気が射す。


皆は俺を優しいって言うのは、
俺は甘いって事。


褒め言葉なんかじゃ…ない。













そのはずなんだ。


俺は優しくない。
心なんか広くない。



俺は最低。
心は狭い。



絶対、そう――


「あ!洸やんか!!」
??妙なアクセントに頭をひねる。


声の方を振り向くと。
…俺の近所に昔大阪から引っ越してきて、
また北海道に引っ越してしまった、昔の親友。



稲葉 陸(イナバ リク)。

『…陸じゃん…。』
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