カモミールに恋して
帰り道―――――
あたしが喋れない代わりに
お兄ちゃんが絶えず喋り続ける
「今日は100m 何秒だったとおもう??
11秒だったんだぜ!!すげぇだろ!!
どうだ??兄ちゃんに惚れたか??」
あたしは大きく頷く
「そうだろ そうだろ」
お兄ちゃんは嬉しそうに笑った
お兄ちゃんは陸上部で
短距離をしている
だから 大学も決まってるんだ
学校には 体がなまらないように
運動に来ている…らしい
と その時
「お―――い 千春―――」
遠くでお兄ちゃんを呼ぶ声がした