カモミールに恋して
「なぁ… お前…今朝の花壇の子だよな…??」
俺がそう話しかけると
おそるおそる そして大きく
頷いた―――
その仕草が やけに可愛くて
俺の心の中に すっぽりと入ってきた
「なんだよ お前らもう会ってたのか
連夜〜お前…俺の夏花に惚れんじゃねぇぞ」
千春がそんなことを言うと
夏花は 小さく笑った
……なに コイツ!!!!!!
やっべぇ可愛い!!!!!!
………と 自己紹介してなかったな…
俺は笑顔で夏花に 話しかけた
「俺 3年の 木下 連夜
お前の兄貴と同じ陸上部で
短距離やってる
よろしくな!! 夏花!!」
我ながら うまくできたな…
心ん中でバンザイをしていると
すっと前に手が出てきた
夏花が 笑顔で握手を求めて来たのだ
俺はドキドキしながら 夏花の手に
自分の手を 重ねた―――
「あ!!千春!! これお前のだろ??
部室に置きっぱでしたよ
あ!!もうこんな時間!!俺帰るわ――
じゃぁな!!」
それだけ言って 俺は全力で走った
夏花に触れた手から 熱が宿って
全身を 燃えさせた