人間の身体と夢は反比例である。
『えー。まずは自己紹介からだな。名前と出身小学校と入りたい部活と一言と……好きな芸能人ぐらいを』
きっと先生は生徒同士が早く馴染むように『好きな芸能人』を言わせようとしたんだろう。
出席番号の順にそれぞれ消え入りそうな声で言う。
「〜です…
秀くんのファンで…『キャー!マジで!?ウチも!』
さっきまで大人しかった女の子達が一気に騒ぎ出す。
…やっぱり秀くんは大人気だなぁ。
『……島?
ぉき島?
沖島有歌?』
『沖島さん?次だょ?』
隣の子に肩を叩かれて
気がついた。
…そうだ。
出席番号早いって
めんどくさいなぁ…。
ガラっ…
少し乱暴に椅子をひいた。