人間の身体と夢は反比例である。
千華に手をひかれたまま、
あまり人のいない所に来た。
無言の空気に耐えきれず、
「千華、
……怒ってる?」
そっと手が離れた。
あたしは続けた。
「ははっ!
…そうだよね。
…意味不明な奴なんか『違うっっ!』
「えっ?」
『有歌、違うよ。』
あたしの目を見て言った。
「だって…あたしのこと避けて……」
『避けてなんかないよ?
…ただ……ただ、びっくりしただけ。』
千華の目には涙が溢れていた。
『有歌が芸能界に入るって言ったから
おいて行かれちゃうって…
それから、あたしでも受けられる
オーディションを見つけたの。』
「えっ?
…………それって?」
『うん。
このオーディション。』