放課後姫とヤンチャな騎士
けれどその日、麻里は姿を見せなかった。


「ふーん?
女子ってそういう噂好きだよなぁ…」


剛志はソファーに寝転がりながら本を読んでいた。


「こんな噂はよくあることなの…
麻里は男子から人気があるから。」


乃里子は軽くため息をつきながら、パソコンを見つめた。


「だめ…
全然進まない!」


乃里子はカツラを取ると、髪をほどいた。


「…今日は行かないんじゃなかったか?」


「行かないわよ…」


そう言いながらも、乃里子は『放課後姫』に姿を変えていく。


剛志は本を閉じ、立ち上がって背伸びをした。


「たまには遊びに行くか?」


「えっ?」
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