放課後姫とヤンチャな騎士
剛志はニヤリと笑った。


「…そうね。
どこか行きましょうか。」


乃里子も笑顔を浮かべた。


これが剛志なりの気の使い方だと、乃里子には分かった。


友人の事で悩んでいる乃里子を、剛志なりに励まそうとしてくれているのだ。


二人は別々に部室を出ると、裏門で合流した。


「どこに連れてってくれるの?」


「そうだなぁ…
海でも行くか?」


白石学園から海までは電車で15分、バイクだと20分くらいの距離がある。


時期には少し早いが、泳ぐ訳じゃないから調度良いだろう。


「良いわね♪
ねぇ、バイクで行かない?」


「…良いけど。
制服で?」


「そう♪
デートみたいじゃない?」


乃里子は楽しそうに微笑んだ。
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