放課後姫とヤンチャな騎士
「乗れよ、家まで送る。」


「うん、ありがとう。」


エンジンがかかり乃里子が荷台にまたがると、バイクは白石家に向かって走り出した。


乃里子は片手だけ剛志の腰に回して、二人は無言のままバイクは走り続けた。


「今日は本当にありがとう。」


ヘルメットを手渡しながら、乃里子が微笑んだ。


「おう。」


剛志はヘルメットを受け取ると、サイドに引っ掛けた。


「明日…
確か休むって言ってたわよね?」


「あぁ、じじいの付き添いだからな。」


明日は長田組の月に一度の会合の日だった。


祖父の付き添いだなんて言いながら、本当は剛志の為に組員が集まって来るような会合だ。


組員達にかまわれるだけのような会合には出たくもないが、祖父の手前そういう訳にもいかない。


「頑張ってね?」


全てを見透かしたような乃里子が苦笑いを浮かべていた。



…−−−−−…
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