放課後姫とヤンチャな騎士
今日のところはこの辺でと言うことで、乃里子は一人長田家を後にした。


「乃里子ー!」


呼ばれて振り返ると、剛志が息を切らして追い掛けてきた。


「…駅まで…送る…」


息を整えた剛志は苦笑いを浮かべた。


「…うん。
ありがとう。」


乃里子も苦笑いを浮かべると、二人は駅に向かって歩きだした。


「嫌な予感がしたんだよ…
だから呼びたくなかったんだ。」


剛志は申し訳なさそうに言った。


「ちゃんと俺から言っとくから…
付き合うなんて有り得ないって。
だから、忘れてくれ。」


剛志はまくしたてるように言った。


乃里子は俯いたまま黙っていた。
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