放課後姫とヤンチャな騎士
「乃里子…いるか?」


「あぁ…
いるけど今は手が離せないかも。
どうかしたの?」


「部室…行かないかなと思って。」


視線は教室の中に向けながら剛志が言うと、未来は不思議そうに首を傾げた。


「今日から一週間は文化祭準備よ?」


「へっ?」


未来の意外な返事に、剛志は思わず声が上ずった。


「出展する部活動はやってるみたいだけど…
新聞部は何かやる予定なの?」


「いや…何も聞いてない。」


「ならやらないんじゃない?
乃里子も何も言ってなかったし…」


さっき声をかけた女生徒が戻ってきて、未来と剛志を交互に見た。


「乃里子ちゃん、今は手が離せないって…」
< 163 / 219 >

この作品をシェア

pagetop