放課後姫とヤンチャな騎士
「起きなさい!
今日、文化祭でしょ!?」


梓にたたき起こされた剛志は、眠い目を擦りながら家を出た。


夕べは梓とも剛介とも口をきかないまま部屋にこもってしまった。


「いってきます。」と言った時の、梓と剛介の嬉しそうな顔に、少しだけ罪悪感を感じていた。


剛志は重くなる足に、ギリギリの気持ちで喝を入れながら歩いた。


「おはよー、剛志くん♪」


陽太がいつも以上に明るい雰囲気で現れた。


「…おう。」


剛志は上がらないテンションのまま応えた。


「暗いじゃん!?
文化祭だよ!?
明るくハッピーに、な♪」


陽太は楽しそうに笑った。
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