放課後姫とヤンチャな騎士
剛志は陽太に連れ回されながら、色々な展示や店を回った。


顔の広い陽太は行く先々で声をかけられ、反対に剛志は怯えるような視線と好奇の視線で疲れてしまった。


「いやぁ、楽しいなぁ♪」


屋台で買った昼食は屋上で食べることにした。


どこかの出店に入ると騒がしくなるし余計疲れるからと、剛志が無理矢理陽太を引っ張ってきたのだ。


「ここが一番落ち着く…」


「まあまぁ♪
こういう日もたまには良いじゃん?」


陽太は屋上から校庭を眺めながら、楽しそうに笑っている。


校庭には文化部や運動部の出店が並び、美術部や有志のオブジェが展示されている。


「午後からは特別棟に行くか。
色んな部活動の展示があるからさ。」


陽太は明るく微笑んだ。


「…あぁ。」


剛志は興味なさ気に応えた。


剛志の頭の中は、陽太のクラスに行った時、どうやって乃里子に話しかけるかで頭がいっぱいだった。

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