放課後姫とヤンチャな騎士
未来は俯いて、息を吐いた。


「乃里子は逃げ出したらとことん逃げるよ?
さっき見たでしょ?
乃里子は思い込んだら絶対曲げない。
ねぇ…どうするの?」


未来と陽太が剛志を見つめている。


剛志は黙ったまま俯いた。


どうするって、答えはとっくに出ている。


ただどうしたら乃里子を捕まえられるのか。


「…行ってくる!」


剛志は立ち上がり、部室を飛び出した。


…−−−…


ピンポーン


チャイムが鳴ったので、窓を開けて玄関を見下ろした。


「…誰!?」


綺麗なモカ色の髪、白くて綺麗な肌。


でも背丈や雰囲気はどこかで見覚えがある。


「…乃里子?」


「…未来…」


乃里子は未来を見上げると、ぽろぽろと泣き出した。
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