放課後姫とヤンチャな騎士
「そんなことない!!
剛志は乃里子と会ってからよく笑うようになったよ?
今までは不機嫌そうな顔しか見たことなかったもん!」


未来が力強く言った。


「でも…」


乃里子は俯き、グッと手を握り締めた。


「ダメなの…
私、剛志の前でひどい事言っちゃったの…」


「ひどい事?」


「そう…
剛志の事を否定するような…
でも、そんなつもりじゃなかったの!
剛志に対して嫌だとか、違うからなんて一度も思ったことなんかないの!
なのに…」


乃里子の頬に涙が伝う。


「私、剛志は分かってくれてるなんて…
勝手に思い込んで、何も考えずに言ったの…
剛志は何も言わなかったけど、絶対気にしてる!
だから…ダメなの…」
< 192 / 219 >

この作品をシェア

pagetop