放課後姫とヤンチャな騎士
乃里子は涙が止まらなくなり、両手で顔を覆いながら声を殺して泣いた。


未来は何も言わずに乃里子を抱きしめていた。



…−−−…



「…そんな事が…」


剛志がいなくなった部室で、陽太は呆然と話を聞いていた。


「そのあと…
『剛志を解放する…
そうじゃないと、私…
また剛志を傷付けちゃうから…』
って、乃里子が…」


未来はそのまま俯いた。


「乃里子…」


「陽太なら分かるでしょ!?
あの乃里子が泣くなんて…
乃里子は強い…
なのに自分が悪いって泣くのよ!?
私…私…」


そう言うと、未来は堪え切れずに泣き出した。


陽太はそっと未来を抱きしめた。
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