放課後姫とヤンチャな騎士
キーンコーン カーンコーン


チャイムの音で剛志は目を覚ました。


クラブ塔の屋上で、剛志は眠ってしまっていたようだ。


携帯を見ると、時刻は三時過ぎ。


朝から今まで熟睡していたらしい。


「…帰るか。」


枕代わりにしていた鞄を持って、剛志は屋上を後にした。


クラブ塔にはまだ人気がない。


剛志はそのまま下駄箱に向かい、校門を出た。


今日は祖父が外出しているから、急いで帰宅する必要もなかった。


剛志は当てもなく、繁華街をブラブラと歩いていた。


裏道に入り、人気のない道を歩く。


「おい、兄ちゃん。」


後ろから声をかけられ剛志が振り返ると、あからさまなヤンキーが二人立っていた。


「こんな時間に、こんなとこを歩いてて良いと思ってんのか?」


ニヤニヤと笑いながら近づく二人に、剛志は軽くため息をついた。
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