放課後姫とヤンチャな騎士
「なんの用だ?」


剛志が言うと、二人は剛志を挟むように立ち止まった。


「ちょーっとお金貸してくれる?
ちゃんと返すからさあ?」


「それでお兄ちゃんは、無事にお家に帰れるんだよ?」


二人はニヤニヤと笑ったまま、剛志の鞄に触れた。


剛志は鞄を振り上げると、一人の頭めがけて振り下ろした。


「…って!!
何すんだ、てめえ!!」


「俺たちを誰だと思ってんだ!!」


二人は怒りをあらわに、剛志に飛びかかった。



「…で、誰だって?」


道に横たわる二人を、剛志は見下すように見つめていた。


「…お、お前こそなんなんだよ!?」


二人は怯えるような眼で剛志を見つめた。


剛志は軽くため息をつくと、携帯を取り出し電話をかけた。


「俺、剛志。
今から言う場所に来て。
…そう、二人だから。」


剛志はそう言うと電話を切った。
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