放課後姫とヤンチャな騎士
「…剛志って…
まさか、長田!?」


二人は慌てて体を起こすと、正座をしてから剛志を見つめた。


「「すみませんでした!!」」


地面に頭をつけながら土下座する二人を、剛志は憐れむような眼で見つめた。


「俺達、知らなくて…
だから…
勘弁してください!!」


涙目で訴える男に、剛志は顔を近づけた。


「…馬鹿じゃねーの?
もう遅せーよ。」


車のエンジン音がして、剛志はそのまま歩きだした。


背後で人がざわざわと動く気配がしたが、剛志は振り返らなかった。


予定外の事に以外に時間を費やした剛志は、帰宅しようと暗闇の中住宅街を歩いていた。


朝バイクが飛び出してきたのもこの辺りだった。


夜になるとほとんど真っ暗闇に包まれてしまう。


街灯整備は県か市か、剛志はフンっと鼻を鳴らすと家路を急いだ。


祖父が先に帰宅していたら面倒なことになる。


剛志のため息は、夜の闇に吸いこまれていった。

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