放課後姫とヤンチャな騎士
そのまま三人で学校に向かい、陽太に強引に引っ張られながら、剛志は久々に教室に向かった。


剛志が教室に入ると、騒がしかった室内が一気に静かになった。


男子は怯えるように剛志から目を逸らし、女子は好奇の眼差しで剛志を見ていた。


「そんなムスッとしてるから、怖がられるんでしょ?」


鞄を教室に置いてきた陽太と、その後ろにはニヤニヤと笑う未来がいた。


「未来まで来たのかよ…」


「なにか問題でも?」


未来は陽太と同じ、昔からの腐れ縁だった。


「…お前らが揃うと煩いんだよ。」


「またまたぁ…
本当は嬉しい癖に♪」


剛志のため息とは反対に、陽太はヤニヤしながら言った。


「…陽太、乃里子ってさぁ…」


「何!?
剛志、乃里子が気になるの!?」


陽太がオーバーなリアクションを取った。
< 39 / 219 >

この作品をシェア

pagetop