放課後姫とヤンチャな騎士
『長田剛志の素顔』


「…なんだこれ?」


見出しに目を止め、剛志は新聞を読み進めた。


『長田剛志は教師さえ手に余る不良生徒と言われている。

でも…本当は不器用で、優しい生徒だった。』


剛志は眉を寄せながら読み続けた。


『長田剛志は以前、近所の交差点で飛び出してきたバイクに引かれかけた事があった。

それ以来、その交差点でバイクを気にするようになった。

ある日、飛び出してきたバイクに老人が引かれそうになった。

偶然通り掛かった長田、その老人を間一髪で助けた。

驚いて停まったバイクの運転手を捕まえた長田は、そのまま説教をし、それから老人に謝罪させた。

老人は大層喜び、長田に何度も何度も御礼を言いながらその場を立ち去った。』


誰にも話していない事実が何故記事にされているのか。


剛志はそのまま新聞を読み続けた。
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