放課後姫とヤンチャな騎士
「お前…名前は?」


剛志が聞くと、女子生徒はフッと微笑んだ。


「じゃあ改めて自己紹介ね?
私の名前は、白石乃里子よ♪」


「…はぁ!?」


剛志は思わず立ち上がり、乃里子をマジマジと見つめた。


「信じられない?
じゃあ…」


乃里子は手早く髪をまとめると、引き出しの中からカツラを取り出した。


そしてカツラをかぶり、眼鏡をかけた。


その姿は、確かに剛志が知っている乃里子だった。


「お前…俺を騙したな!?」


コンタクトを落とした女子、朝の綺麗な女性、眼鏡をかけた地味な乃里子。


剛志の中の疑問が、全て繋がって解けた。


「騙すなんて人聞き悪いわよ!?
私は一言も乃里子じゃない、なんて言ってないでしょ?」


乃里子が微笑むと、剛志はガクリと肩を落とした。


「…なんで俺なんだよ?」
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