放課後姫とヤンチャな騎士
『あなたのお相手は、なかなか素敵な方ね。
笑顔が優しいのは、人柄が良い証拠だわ。』


乃里子がメールを送信してしばらくすると、楓が携帯を握りしめて辺りをキョロキョロと見回した。


楓がいくら探しても見つかるわけがない。


今の乃里子の姿は『放課後姫』とは全く違うのだから。


『楓ちゃん、勇気を出して話し掛けてみて?
私が見守っているから。』


乃里子がメールを送信してしばらくすると、携帯を握りしめたままの楓がゆっくりと歩きだした。


乃里子はコンビニを出ると、店舗横のカフェに向かった。


楓がゆっくり業者に近付き、その後ろを乃里子が通り過ぎる。


乃里子はアイスコーヒーを買うと、目立たずに会話が聞こえる位置に移動した。
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