放課後姫とヤンチャな騎士
「あら、楓お嬢様♪」


中年の店主が笑顔で楓を迎えた。


「登美子さん、ご苦労様です。」


楓は丁寧に頭を下げた。


登美子は慌てた表情でやめてくださいなと笑った。


「楓お嬢様は本当にお優しいですね。
こんなただの店主を気にかけてくださる…
ねぇ、神谷さん?」


登美子に話しを振られた業者は、優しい微笑みを浮かべながら頷いた。


「神谷さんまで…
からかうのはやめて下さい…」


楓は頬を真っ赤にしながら微笑んだ。


神谷真治(かみやしんじ)


彼が楓の初恋の相手。


乃里子は気付かれないように神谷を見つめた。
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