放課後姫とヤンチャな騎士
楓の突然の告白に、神谷はそのまま黙り込んだ。


楓の表情も次第に曇っていく。


「…僕なんかで良いんですか?
両親も親戚もいなくて、孤児なんですよ?
…楓さんには、もっと相応しい人がいるんじゃないですか?」


それは神谷が自分自身に言い聞かせているような声だった。


「…神谷さん以外は考えられません。
私を神谷さんの家族にして下さい!」


楓の目には、涙が溜まっていた。


神谷は少し眉を潜めたが、すぐに愛おしそうな目で楓を見ると、思い切り抱き寄せた。


「僕も、楓さんが好きです。
僕の…家族になってください。」


神谷の穏やかな声に、抱かれたままの楓は何度も頷いた。
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