放課後姫とヤンチャな騎士

「それは…」


理由を言いかけた剛志だったが、最初の約束を思い出して黙り込んだ。


「…とにかく、剛志と乃里子が噂になってるのね？
で、乃里子は皆に好かれるいい子だからさぁ、女子からいじめられたりとかは無かったんだけどさ…」


「ちょっと待て！」


剛志は陽太の言葉を遮って、額を押さえた。


「何で乃里子がいじめられる？
俺なんかが相手だから、同情されたり心配されたりするんだろ？」


「違うよ、剛志は分かってないなぁ…」


不思議そうに悩む剛志に、陽太は深いため息で返した。


「何がだよ？」


「剛志は女子からめちゃめちゃ人気があるの！
温室育ちの生徒ばっかりの学園で、唯一の反逆者だよ？
そりゃあ女子なら惹かれちゃうでしょ！？」