放課後姫とヤンチャな騎士
再び声がして剛志が振り返ると、そこには初めて見る『放課後姫』が立っていた。


「あんたよ、あんた!」


睨み付けながら言う女生徒の隣で、同じ顔の女生徒は申し訳なさそうに頭を下げている。


剛志は訳が分からずに乃里子を見つめた。


乃里子は剛志にだけ分かるようにコクリと頷いた。


「説明してなかったのかよ?」


「そうね、それについては謝るわ。
でも…
女の子がそんな言葉遣いなのは、認められないわね。」


放課後姫は真剣な眼差しで女生徒を見つめている。


女生徒は空気に圧倒されたのか、ムスッとしながら黙って俯いた。


「乃里子、剛志に説明してあげて?」


「はい、姫様。」
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