放課後姫とヤンチャな騎士
「…なによ…」


咲は口ごもり、バツが悪そうに冴の腕を離した。


冴はそのままゆっくりと頭を下げた。


「長田くん、乃里子さん、姫様…
数々の失礼、本当に申し訳ありませんでした。」


冴は頭を下げたままそう言うと、今度は咲の手を取った。


「咲、ごめんね。
私がハッキリしないから…
だから咲は頼りない私の為に、色々無理してくれてたのよね?」


「…冴…」


冴の言葉に、咲は今にも泣き出しそうな顔で俯いた。


「咲は本当はいい子なんです。
ただ…私が頼りないから…
だから私の分までしっかりしようと頑張っていただけなんです。
私が悪いんです…だから許してやって下さい。」


そう言うと、冴はより深く頭を下げた。
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