放課後姫とヤンチャな騎士
「誰が悪いとか、そんなのじゃないのよ?
お互いの気持ちが大切なんだから。
お互いが大切過ぎて、距離が分からなかったんでしょ?」


放課後姫は優しく微笑んだ。


「「…はい。」」


冴と咲は素直に頷いた。


「何が今一番大切か、それをよく考えてみて下さい。
…私は長田くんという仲間を大切に思っています。
長田くんを失ったら新聞部は続けられません。」


乃里子の言葉に、剛志は驚きを隠せずに俯いた。


「冴さんは本気で長田くんの事が好きなんですか?
それとも、咲さんを安心させたくてそう思い込んでいるんですか?」


乃里子の問い掛けに、冴は一瞬目を伏せると再び頭を下げた。
< 96 / 219 >

この作品をシェア

pagetop