素直になれなくて



「……へ…?」

ちひろは、ひかるの
顔をぱッと見た。

優しい笑顔。

いつも、からかってる時の
笑顔じゃなくて。


スッゴく優しい、暖かい笑顔。



――ドキッ――


不意にときめいてしまった。


「やっと笑った。って…?」

「ずっと、下向いてたろ?
まだ、怒ってると思ったから
今日、謝ろうと思ってさ…。」


(だから朝、迎えに来てくれたんだ。)


「怒ってないよ。
だって、あたし馬鹿だもん!。
ひかるが言ってたことは
当たってるよ!」


あたしは、ひかるの
優しさが嬉しすぎて
堪えてる涙が落ちないように
必死に笑顔を、ちひろに向けた。



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