素直になれなくて


「怒ってねぇの…?」

「怒ってないよ。こっちこそ、
勝手に帰ってゴメンね…。」

「バカ…。謝んな。」

そう言って.ちひろは、
いつもの優しい笑顔で、
ひかるの髪を
くしゃくしゃとした。



すると、

ピタッ。とちひろの
足が止まった。

ひかるの中学校に着いたのだ。


(あ…もう、着いちゃった…。)


「ぢゃ…ぢゃあねッ!
行ってきます!」


淋しい気持ちに気づかれないように
笑顔でちひろに手をふった。

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