素直になれなくて
あのあと、ひかるは
自分の家に真っ直ぐ帰った。
教室に戻って
直と、顔を合わせる事も
教室にいる人達に
なんて言ったらいいか分からない事も
まだ、中学3年の少女には
堪えられる事じゃなかった。
「はぁ...逃げちゃった...。
あ!教室に鞄!!あ!!!!ちひろが
放課後、迎えに来てくれるって
言ってたのに...」
♪〜♪〜♪〜♪〜〜
ひかるの携帯にメールの
着信が来た。
ディスプレイには
【櫻井 直】
と出ている。
「直...。」
ひかるは、ためらいながら
メールを開いた。