素直になれなくて
「ち〜ひ〜ろ〜〜!!!」
この叫び声にも等しい
声を上げている女子。
堀 ひかる(15)。
中学3年生。
「なン…だょー。朝っぱらから
元気だなぁー…。」
この、ダルそうな声を
出している男子。
宮村 ちひろ(17)。
高校2年生。
二人は、生まれた時から
一緒にいる。
幼なじみだ。
「ちひろ〜〜!!見てよ!!コレ!!」
ひかるは、寝起きのちひろの目の前に
携帯の画面を差し出した。
「携帯?コレがどうした?」
ちひろは、ひかるが伝えたい事に
全く気づかない。
「違うの!携帯の画面を見て!」
さらに顔に携帯を近づけた。
「近すぎて見えないって。」
そう言いながら、
ひかるが持っていた携帯を
手に取り、画面を見た。