素直になれなくて
――――次の日―――――
―ピンポーン――
ひかるの家のチャイムが
朝早くから鳴り響く。
―ピンポーン――
―ピンポーン――
「はいは―い。
すぐ行きま〜す」
ひかるの母が、玄関まで
パタパタとスリッパを鳴らしながら
走って行く。
――ガチャ――
「あら。どなた様ですか?」
玄関には、母が見たことのない
ひかると同じくらいの
男の子が学ラン姿で
立っていた。
その、男の子は
ペコっとお辞儀したあとに
「始めまして。
ひかるさんと同じクラスの
櫻井 直と言います。
ひかるさんを迎えに
来たのですが...。
今日は、来ないみたいですね。」
男の子いや、直は
少し淋しそうに言った。