素直になれなくて
「あら。何で分かったの?」
母は、直に聞いた。
「さっき、そこの階段にひかるさんが
こっちを見たんですが
すぐに隠れられたので...。」
と、玄関の奥にある
階段を指差して、
また悲しい顔をした。
「まぁ..。ひかる!
いるなら出て来なさいよ!」
母は、階段に向かって
声をあげた。
「............。」
ひかるは.パジャマのまま
黙って階段から、下りて来た。
母がリビングに戻って行く。
ひかるは、母の腕を握って
引き止めた。