素直になれなくて



ブーブーブーブー

携帯のバイブが教室で
鳴り響く。

「こら―!今は授業中よ!
携帯鳴らしたのは誰??」

なっちゃんがちょっと怒ったように
周りを見渡しながら聞いた。

「は―い...。」

直は、恐る恐る手を挙げた。

「ダメでしょ!じゃあ...。
この黒板の問題解いて。」

「あ。は...はいっ!」

直は、急いで前に立ち、
黒板の問題を解いた。

カッカカッ

「出来ました。」


「うん!正解!
席に戻っていいよ。
あと、携帯の電源!
消しておきなさいよ〜!」


「は〜い。
すみませ―ん。」

直は、電源を切る前に
ひかるからのメールを見た。


メールを見た後、少し笑った。

ぽち
――see you――

携帯の画面が真っ黒になった。


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