素直になれなくて



ひかるは、動揺を隠そうとしたが
母には、もろバレだった。


「なんでじゃなくてッ!!
喧嘩かなんかは知らんけど
とにかく、仲直りしてきなさいッ!!」

母は、そう言いながら
押し入れから、ひかるの制服を
取り出し、ひかるに手渡した。


「う…。」

(なんでわかんの?!)

「はぁ〜い…。」

そう言いながら、ひかるは、
パパッと制服に着替えた。


朝食は、毎朝のココアだけを飲んで、
ちひろが待っている
玄関に急いだ。


「ご…ごめんね…!
遅くなって……。」

「ううん。俺が勝手に来ただけだから。」

ひかると、ちひろが一緒に
学校に行くのは、2年ぶり。


二人が中学の時は
学校に行っていたが、
ちひろが高校に上がると
めっきりなくなってしまったのだ。



「「行ってきま〜す。」」

そう、ひかるの母に言うと、
二人は歩き出した。



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