貴方の腕の中で願うこと



「もう9時だよ。
帰らなくて平気?」


「……あ、いや…。」

私は答えられなかった。





そのまま、沈黙が続いて
沈黙を破ったのは彼だった。

「……ひょっとして、何かあったの?
あんなところで眠ってたし。」

――こくん。

声を出さずに、静かに頷いた。



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