with 2人の居候
「ふ~ん、分かった」
うそ臭く頷(うなず)くと、あの悪そうな笑みで、
「絶対治してやるから」
そう言った。
「んで、俺にホレさせるから」
な?と頭をポンと撫でられ、
「楽しみにしてろ?環南」
不敵にニヤッと笑い奏斗さんはキッチンから出て行った。
私は怖さと、イラだちと・・・・・・。
形にならないモヤモヤが溢れ出してきて、その場に座りこんだ。
“環南”
そうやって、同年代の男の人に呼ばれたのは初めてかもしれない。
甘い耳にまとわりつくような
艶っぽい奏斗さんの声が、耳から消えなかった・・・・・・。