with 2人の居候


体全体が拒否しているのが分かる。


「やめて!」


私がそういっても本蔵はニコニコしながら歩いていく。



周りから視線が集まる。

『本蔵と環南デキてんの?』

『本蔵やるじゃん』


ごちゃごちゃと聞こえる小さい声。





「本蔵、離しなさいよ」




泣きそうになっていたとき聞こえた声。

本蔵を睨みつけるように仁王立ちでたつ、ショートカットの女の子。


「すずっ・・・・・・・!」


野島鈴子(のじますずこ)。
私の大親友。

目が合うと少し笑ってくれたから、安心する。


「環南が嫌がってるの見えない?」


本蔵を見て、目だけ笑ってる鈴子。

こんなときの鈴子は本当に怒っているときだ。


「あ、そっかぁ~?本蔵バカだもんねぇ~!
この前のテストなんて英語2点で古典が4点だっけ?」


「野島っ!やめろ!!」


本蔵は恥ずかしそうに鈴子を止めようとする。



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