【短】生徒会の秘蜜〜非日常的な日常〜
ソラさんの言葉に、躊躇いながらも小さくコクリとうなずく。
「ちゃんと、いいって言われてるから安心しなよ。まぁ、目立った行動をしないっていう条件付きだけど」
「そう、なんですか…」
意外とあっさり返され、しかも許可もしっかりあるという事に、あたしはホッと胸を撫で下ろした。
そうなれば、パーティーに参加しないなんて選択肢はなくなる。
みんなとパーティーに参加できるなんて、考えてるだけで嬉しくなって頬が緩んでしまいそうだ。
「今回のパーティーは理事長が主催者ですからね。警備として、役員全員の手を借りたかったんだと思います。それに、他校からも生徒が来ますから参加しても平気だと考えたんでしょう」
時雨くんのわかりやすい説明や推測のおかげで、今まで不透明だったことを大体理解することができた。
つまりは、パーティーにみんなで行けるのは理事長のおかげだということ。
パーティーを開いてくれたことも、ソラさんや湊先輩にパーティー参加許可を出してくるたことも…全部含めてお礼を言いたい。
「…僕は人ごみ、嫌いなんだけど」
「だったら来なきゃいーじゃん、ソラ先輩は」
「それとは話が別だよ、那智。僕にはしたいことがあるからね」
そんなことを考えていると、ソラさんと那智くんという珍しい組合せのふたりが不穏な空気を放っていることに気付いた。