【短】生徒会の秘蜜〜非日常的な日常〜
「それよりさぁ、ラビちゃん?」
ぼんやりと気が抜けたところに、ふと飛び込んできた湊先輩らしい抑揚のない声。
「もちろんパーティー、来るよね?」
それでも珍しく表情に隠しきれていない感情が滲み出ているようで、多少強引ともとれる言葉も嬉しく感じる。
「来いよ、ラビ。ドレスとメイクアップは任せとけばいいからさ、な?」
先程よりもさらに声音を柔らかくした那智くんが、頼もしい言葉とともに笑う。
「ラビさん、エスコートは俺がしてさしあげますから…安心してくださいね?」
いつもより数割増しな妖艶さを醸し出しながら、自身の顎に手を添え微笑む。
「おいでよ、ラビ。君がいないと愉しくないんだから」
素直じゃないソラさんも少しだけ素直になって、そうあたしの耳元で囁く。
ほんとなら、改めて聞かれなくても心の中で答えは決まっていた。
拭いきれない不安もあったけど、みんなの言葉で簡単にどこかに吹き飛ばされていっちゃったから。
あとはもう、感情のままに。
「パーティー…楽しみに、してます…!…楽しみましょう、ね?一緒に」
綻ぶ口元と思わず浮かぶ微笑みに、たどたどしく言葉を添えれば、
生徒会が温かな雰囲気に包まれた――…