【短】生徒会の秘蜜〜非日常的な日常〜


クラスメイト中の好奇の視線が、綾の疑問を含んだ視線が俺と來美に注がれている。


「那智く、ん……?」


腕の中から小さく俺を呼ぶ声が聞こえて、そちらを見れば來美が潤んだ大きな瞳で俺を見上げていて。

本人にはそんな気ないんだろうが、身長差のせいで來美は必然的に上目遣い。


「あ……那智、く…ぁ、ん」


俺は薄く開いた桃色の唇に、吸い寄せられるようにキスをした。

最初は触れるだけの、次は來美の小さな舌に舌を絡めるような深いキスを……。

反射的に引っ込められた來美の舌を追い回し、絡めとりながら口内を蹂躙していく。






なんでこう、男ってのは欲望に弱いんだ?






苦しそうに瞳に涙を浮かべ、顔を真っ赤にして俺の胸元を非力な腕で押す來美。

微かに残る理性さえも、そんな來美のひとつひとつの仕草に簡単に崩されそうになる。

來美の身体からいきなり崩れるように力が抜けて、ハッと我に帰った俺は來美の身体を支えるように腰に手を回す。

離れた唇からは、名残惜しげに銀色の糸が繋がった。


「ハァ、ハァ……っ」


肩を揺らしながら必死に息を整えようとする來美。

クラスメイトがいる教室でなにやってんだ、って頭の片隅で微かに残る理性が呟いた気がした。






でも……






クラスメイトがいない、ふたりきりの状況だったら……絶対にヤバかった…






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