【短】生徒会の秘蜜〜非日常的な日常〜


一気に静寂に包まれた教室内の様子に気付いたのは、再び來美にキスをしようとしたところを綾に止められて、だった。


「教室で盛ってんじゃないわよ、変態那智」


呆れたようなため息を溢しながら、肩ごしに俺を睨み付ける綾。

來美の小さな身体を腕に閉じ込めたまま何気なく視線を辺りに巡らせてみると、クラスメイトの大半が驚きを露にしていた。

……なかには恨めしそうな表情で俺を睨んできた野郎もいたけど。






別に盛って、勢い余って來美にキスしたワケじゃねぇけど…他のヤツから見たらそう見えるもんなのか?






……なら、來美はどんな風に感じたんだ?






とある疑問が思考の端で渦巻き、少し首を捻る。

今思えば、來美が好きだということすら…伝えずに無理やりキスをしていたことを思い出す。


「それに、女の子を泣かすなんてサイテーよ」


「……あ?」


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