教室バロック
「 うん
そのねこね シャムねこ
用務員のおじさんがね
『 暑い国の猫だからなあ 』って
本当はダメなんだけど、
『 ないしょだよ 』って
掘るのも手伝ってくれたの 」
「 …… 何処に埋めたんだ? 」
「 中庭 大きな木があった 」
「 ―― 桜の木か 」
「 うん
『 ここは春になると、ドレスみたいに
風が吹くと、揺れる桜が咲いて
一年中、誰かいて
一番、日の当たるところだから
ここなら、寂しくないよ 』って
用務員さんがいってた 」
「 そうだな… 」