教室バロック
濃い色の空から轟音がして
ルウが上をを向く
飛行機が一基、飛んで行った
「 何で…
信じてくれなかったんだろうなあ… 」
「 ないてもいいよ 」
「 バーカ 泣かねえよ 」
「 目、つぶってるよ 」
「 オマエの前では泣かねえ 」
「 なんで? 」
「 クソガキの前じゃ泣かねえ
お兄ちゃんだからな 」
「 クウヤ 」
「 …まだつべこべ抜かすと
ホンキのデコピンすんぞ 」
「 ―― 人を好きになるって
どんなキモチ? 」
「 …んなの
そのうちテメエで判るんだから
聞く事でもねえよ 」
「 …なんか、こわくなった 」
「 ―― つか、ルウ
オマエ、初恋とかまだなのか? 」
「 うん 」
「 ハルトさん、カレシじゃねえの? 」
「 うん、ハルトは
おれの服作るの楽しいんだって 」
「 ――― そりゃそうだろうな
めちゃくちゃカワイイもんよ オマエ
学校でハンパなくモテんだろ 」
「 …でも年とったら
シワシワのおばあちゃんだよ 」
「 バーカ
ばあちゃんになってから
女は少女になるんだってよ
それまでは、
生まれてからずっと女なんだと
カワイイばあちゃん目指せ 」
「 おー 」
「 何だよその棒読み 」
「 … クウヤ 」
「 おう 」
「 クウヤは、ギター弾いてる人? 」