教室バロック




「 ――― 退学?! 」



三人一斉に、花さんの顔を見る


花さんは言葉を続けた



「 自主退学って形になると思う

…学校に通いながらの
ながら治療が出来るものではないの

どれくらいの後遺症が残るのかは
まだ判らないけど…





先生に
伊藤さんの様子を教えてくれていた
比奈村さん


この季節に長袖
… やたら飲み物飲むって聞いてね
確かめなきゃと思った


那智くんは、学校内の男子に
睨み利かせてたくれてたみたいだし


そして、ユミさん達との問題を
空哉くんが解決してくれたお陰で
学校にはこられていた

これが進度を遅くした、最大の要因



―― 悪い事をしているのは
本人達もわかっているのよ

だから友達にはみせたくない



…とにかく、時間が要るわ



皆が生活を崩しちゃダメだよ

若いあなた達にはもしかしたら
綺麗事に聞こえるかもしれないけど…

今は、病院に任せて
伊藤さんの回復を待ちましょう 」








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