教室バロック





庭のベンチに座った

ヒロミさんがいれてくれた
謎の飲み物

氷が溶けて、カランと鳴る



「 ―― 秋の修学旅行、無理なのかな 」


「 病院の面会も
…当分先みたいだしな… 」


比奈村と那智が、足元を見つめる

庭の芝生の上で
ホース先に付いた
スプリンクラーが廻っていた





夜、三人が帰った頃に
湯浅からの電話が鳴る






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