教室バロック




挨拶が終わって、
ゾロゾロと部屋割り表を持って
エレベーターに向かう



「 真木 」


「 お、柏先生 」



「 …スマンな
なんかいつも
こういう役割させてる気がするからさ 」


「 え…

あああ、もしかして部屋割り? 」


「 うむ 」


「 気にしてねえよ
それより、先生も初日から飛ばすと
息切れすっぞ 」


『トウ!』と
ケツを叩こうとする手を避け笑って逃げた




"楽しい楽しい修旅の部屋割り"


最初は出席番号順、

いわゆる『班で分ける』
とか言う話が出たのだが
女子からも男子からも
『好きな者同士でいいじゃんよお!』と
大ブーイングが起こって中止になった


だから、四人部屋のメンバーは
いつもつるんでいる
山瀬、妹尾、橘、オレ


―― のハズだったんだけど




大体、皆仲が良いのは二人組って感じで
自然に『 じゃあそっちと組もう 』で
四人に上手くまとまって行ったのだが


いつもクラス内ではソロの那智、

そして湯浅と
タッチペンの真田があぶれてしまった


花さんに呼ばれ
湯浅と真田とオレが組み

橘と那智はそれでも、
橘が『青春の傷歌代表
ミュージシャン・豊川』の親戚って事で、
二人結構 話すから

山瀬、妹尾、橘の所に、
那智が入るのはどうかと
提案があったのだが


山瀬、妹尾は親の会社がらみで
那智を相当きらっていて

橘は『 いや、修旅で同室とかは
…さすがにカンベンして 』と

人の良い口元を困らせて
…結構がんばって、言いづらそうに
花さんに告げた







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