教室バロック




柏が言っていた
" こういう役回り "って台詞は

中学の時の修旅
高校に入るまでは生徒が少なめで
ホテルは贅沢に、二人部屋だった


"生まれた時から個室があり
自分のペースで生活して来た子供"

そこでケンカが起きてしまって
途中からオレが片方と
交代した事があるからだと思う


中学から高校の時に
先生同士の引き継ぎがあるってのは
ほんの少し、聞いてたけど
そんな事まで知ってるのかよ と
少し驚いた




割り当てられた部屋に着き
中を覗くと那智の姿


早速テレビを付けて、畳に横になり
部屋のど真ん中に、位置を取る


頭をはたいてみた


「 イテッ!!
んなっ 何だよ、空哉かよ! 」

「 オメエ占領すんな!
寝るにしても位置考えろ 」


「 え

……… あ〜 ワリイ!! 」



奥の部屋の隅で
暗い中
タッチパネルをいじる真田のそばに行った

電気を点けたら、やっと上を向く


「 …あ 真木ちゃん 」


「 クローゼットの前、開いたから
荷物入れて来いよ 」


「 うん 」


薄く笑い、メガネを人差し指で直し
のそりと、重そうに腰をあげた



『 ワリイな 家のつもりでいたわ 』と
那智は頭を掻き
真田は少し緊張した感じで
ハンガーに上着をかける


壁の時計を見ると、夜の六時少し前

七時になったら食堂で、夕食が始まる



「  あ  」


「 どうした? 空哉 」

那智が顔をあげた




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